実験医学:グルカゴン革命 糖尿病の真の分子病態を追え!
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実験医学 2015年4月号 Vol.33 No.6

グルカゴン革命 糖尿病の真の分子病態を追え!

  • 北村忠弘/企画
  • 定価 2,000円+税
  • 2015年03月発行
  • B5判
  • 135ページ
  • ISBN 978-4-7581-0138-7
  • 販売状況: 注文可能
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発見より90余年,インスリンの陰に隠れてきたグルカゴンの復活劇!インクレチンとなす三つ巴の関係,作用部位による「陰と陽」の働きまで,一歩進んだ糖尿病の分子病態が理解できる.

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《企画者のことば》

感染症等の急性疾患と花粉症等のアレルギー疾患を除くと,この1世紀の間に最も増加した疾患は糖尿病である.さらに,インスリンに焦点を当てたこれまでの糖尿病対策だけでは十分でないことも明白になりつつある.そんななか,「グルカゴン」が再注目を集めている.グルカゴンについての新たな知見が増えれば増えるほど,従来の “インスリン先にありき” の考え方では説明できないいくつかの事象がみえてきた.今後のグルカゴン研究は糖尿病の医学・医療に革命をもたらす可能性がある.

目次

特集

グルカゴン革命
糖尿病の真の分子病態を追え!
企画/北村忠弘
概論 ─グルカゴンが糖尿病学・医療にもたらした“革命”とは?【北村忠弘/小林雅樹】
感染症等の急性疾患と花粉症等のアレルギー疾患を除くと,この1世紀の間に最も増加した疾患は糖尿病である.さらに,インスリンに焦点を当てたこれまでの糖尿病対策だけでは十分でないことも明白になりつつある.そんななか,「グルカゴン」が再注目を集めている.グルカゴンについての新たな知見が増えれば増えるほど,従来の “インスリン先にありき” の考え方では説明できないいくつかの事象がみえてきた.今後のグルカゴン研究は糖尿病の医学・医療に革命をもたらす可能性がある.
インスリンがグルカゴンに作用する!【河盛 段】
以前よりグルカゴン分泌調節のメカニズムとしてインスリンの関与が提唱されてきたが,近年,数多くの生理学的および分子生物学的研究にてその関与が明らかとなってきた.一例を挙げると,膵α細胞特異的インスリン受容体欠損マウスの解析によりα細胞インスリンシグナルの重要性が生体内においても証明された.さらに,インスリンこそが高グルコース条件下においてグルカゴンを生理的に抑制している因子であることが示唆され,インスリンがグルカゴンに作用する,すなわちβ細胞がα細胞機能に対して積極的に作用しているという,細胞間相互作用が考えられる.
膵内分泌細胞の可塑性【宮塚 健/綿田裕孝】
膵島の大部分を占めるα細胞,β細胞およびδ細胞は,いずれも胎生期に存在する膵内分泌前駆細胞から分化し,ホルモン産生細胞としての終末分化を遂げた後は分化転換しないと考えられてきた.一方,糖尿病をはじめとする代謝ストレス下においては,β細胞の脱分化とそれに続くα細胞へのリプログラミングが認められ,これがβ細胞容量低下の一因であることが明らかとなってきた.α細胞やδ細胞もまた,さまざまな条件下においてβ細胞へと分化転換することが報告されている.これらの知見は,膵内分泌細胞が以前考えられていた以上に可塑性のある細胞集団であることを示している.内分泌細胞のリプログラミング機構を解明することは,糖尿病の病態解明,そして新たな治療戦略につながる可能性がある.
肝臓におけるグルカゴンの生理作用【平田 悠/野村和弘/小川 渉】
近年,血糖依存性にインスリン分泌を促進する作用に加え,グルカゴン分泌抑制作用を有するインクレチン関連薬の臨床使用に伴って,グルカゴンに対する関心が集まっている.グルカゴンは肝糖産生を増加させることで糖代謝の恒常性に寄与しているが,最近ではグルカゴンが脳を介した作用によって血糖低下にかかわる可能性が報告されており,グルカゴンに関する研究は糖尿病や肥満の病態解明や治療法開発のうえで非常に有用と考えられる.本稿では,糖代謝にかかわるグルカゴンの生理作用について最近の知見を含めて解説する.
グルカゴンの真の特異的作用は何か?【林 良敬】
グルカゴンは血糖値の維持に不可欠と考えられてきた.しかしながら,グルカゴン遺伝子を欠損するモデルの血糖値は正常で,肝臓においては糖代謝よりもむしろアミノ酸代謝の異常を示す.グルカゴン作用に障害をもつ種々のモデルの表現型から,肝臓におけるグルカゴン作用不足がα細胞の増殖を促進することは明らかであるが,血糖値はα細胞増殖の制御因子ではないようだ.グルカゴンの真の特異的作用はアミノ酸代謝の制御とα細胞の増殖制御であり,そのメカニズムの解明により,糖尿病を含む代謝疾患の新規治療法の開発が期待できる.
糖尿病とα細胞機能異常【美内雅之/難波光義】
糖尿病の病態形成において,インスリン分泌担当細胞である膵β細胞量が減少することによってインスリン分泌能が低下し,これが高血糖の主因と考えられている.一方,高血糖状態にもかかわらず,本来血糖上昇作用を有するグルカゴンの分泌担当細胞である膵α細胞が増大しているという報告もある.さらに高血糖に伴う糖毒性によってβ細胞量は減少していくため,インスリンによって制御されているα細胞からのグルカゴン分泌は亢進していく.糖尿病における高血糖の成立機構を考えるにあたって,グルカゴン分泌異常を示すα細胞機能についても考慮することが重要である.
グルカゴン抑制作用を有する抗糖尿病薬【三木隆司】
近年2型糖尿病の高血糖の原因として,インスリン作用不足のみならず過剰なグルカゴン作用が寄与しているとの報告が相次いでいる.特に,①2型糖尿病の治療標的であるGLP-1(glucagon-like peptide-1)の血糖降下作用には,グルカゴン分泌抑制がインスリン分泌増強とほぼ同等に寄与していることや,②2型糖尿病治療薬であるメトホルミンはグルカゴン作用抑制を介して血糖降下作用を発揮することが明らかにされ,今やグルカゴン抑制は重要な糖尿病治療標的として注目されている.本稿では現行の糖尿病治療薬に新たに見出されたグルカゴンの抑制機序と,グルカゴン作用抑制を介する新規糖尿病治療薬についてご紹介する.

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