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トピックス

国際化する未診断・希少疾患研究の今-The 4th Conference of the Undiagnosed Diseases Network Internationalに参加して

ベイラー医科大学分子人類遺伝学部 山本慎也

Diagnostic Odysseyという言葉をご存知であろうか.これは原因不明な希少・未診断疾患を患っている患者さんやその家族が診断(Diagnosis)を得るまでの多大な時間・苦労を長い旅路(Odyssey)に例えたものだ.希少疾患の定義は国によって異なるが,おおむね2,000人に1人以下の病気である.一つひとつの希少疾患は文字通り希少であるが,これまでに7,000種類を超える希少疾患が報告されており(https://rarediseases.info.nih.gov/diseases),合計すると10人に1人の割合で何らかの希少疾患をもっている計算になる.多くの希少疾患には根本的な治療法はなく,それ以前に原因すらわかっていないことも多い.また症例が珍しいためその疾患の専門家がいる大病院でないと確定診断がつかないことも珍しくなく,多くの患者さんは自分が一体何の病気なのかという答えを求め多くの病院を廻ることとなる.ある統計では希少疾患の患者さんが診断を得るまでに平均で8カ所の病院を巡り7年半の歳月を費やすという,名前の通り長いOdysseyである.

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2017年3月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2017年3月号 Vol.35 No.4
がん免疫療法×ゲノミクスで変わるがん治療!
バイオマーカーの確立、治療抵抗性機構の解明による個別化がん免疫療法へ

柴田龍弘/企画
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