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トピックス

代謝中間体の修飾を担ういち酵素ががんの標的分子となり得る?!

横浜市立大学大学院生命医科学研究科 古久保哲朗

2014年,Chenらは,アセチルCoAアセチルトランスフェラーゼ1(ACAT1:ケトン体の生成に関与する代謝酵素であり,2分子のアセチルCoAをアセトアセチルCoAとCoAに変換する活性を有する)によるピルビン酸デヒドロゲナーゼ(PDH)およびPDHホスファターゼ(PDP1)のアセチル化の昂進が,ピルビン酸デヒドロゲナーゼ複合体(PDC)の不活化を誘起し,ピルビン酸の消費を酸化的リン酸化(TCAサイクル)から乳酸産生(解糖系)へと切り替えることにより,嫌気的条件下におけるがん細胞の増殖を促進することを見出した1).その時点では,がん細胞におけるACAT1の活性化機構は不明であったが,

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2017年3月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2017年3月号 Vol.35 No.4
がん免疫療法×ゲノミクスで変わるがん治療!
バイオマーカーの確立、治療抵抗性機構の解明による個別化がん免疫療法へ

柴田龍弘/企画
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