News & Hot Paper Digest
UJAだより

英語の壁の乗り越え方 第41回日本分子生物学会年会にて

UJA 山形一行(千葉大学)/鈴木仁人(国立感染症研究所)

2019年1月号に引き続き,今月も海外留学情報をお届けしたい.今回われわれは,第41回日本分子生物学会年会にて,7名の海外若手研究者招聘企画採択者の皆様より,留学に関する生の声を聞くことができた.

そもそも,なぜ自分が留学しているのだろうか.この疑問について,それぞれの立場から多様な意見が出された.阿部洋典さん(米国Cincinnati Children’s Hospital Medical Center)は,「研究分野を変えたい」という意識があり,それに伴い海外留学という選択肢が生まれたそうだ.また田渕理史さん(米国Johns Hopkins University School of Medicine)は,己の直感を信じ,勢いで飛び込んだという.「人生は一度きり.海外で生活することは貴重な経験」と米国University of California, San Franciscoに留学中の廣瀬健太朗さんは語った.齋藤諒さんは,自身がスイスFriedrich Miescher Instituteの博士課程の学生である点に触れ,日本国外で学位をとる選択肢を提示してくれた.

図4

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今回,フォーラムという形式で「留学のすゝめ」を開催したため,会場からも多くの質問を受けることができた.なかでも「英語力について」がホットトピックとなった.英語力については誰もが不安に感じている点であろう.留学中の若手研究者からは,さまざまな回答があったものの,共通して言えることは「大丈夫だ,問題ない」という声が多数を占め,「習うより慣れろ」という強いメッセージが発せられたように感じる.ある演者は,あまり良いとは言えない留学前の自身のTOEICの点数を挙げ「こんな自分でもアメリカでsurvive出来ている」という例を紹介し会場を湧かせた.一方で「それでも,やはり準備は重要」といった声も上がった.英国University of Cambridgeに留学中の柳田絢加さんは「イギリス英語に慣れるため,留学前は実験中にiPod等でずっと英語を聞いていた」と具体的な方法をあげたうえで,「今からでも,お金をかけずできることはあります」と意見を発された.また,米国(大学)~フランス(大学院)~米国(ポスドク)という海外で長いキャリアを歩まれている塩田仁志さん(米国Brigham and Women’s Hospital)からは,「それでも言葉がわからないことはある」と率直な声を聞くことができた.米国Georgetown Universityに留学中の村上重和さんからは,「アパートや事務手続きなど,渡米直後の一番英語に不慣れな時期に,一番英語を使うことになった」というエピソードを紹介していただいた.

留学中の若手研究者とは別に,国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)からHuman Frontier Science Program(HFSP)のフランスオフィスに出向中の足立剛也さんからも,興味深い声を聞くことができた.HFSPでは,博士号取得3年以内のポスドクをサポートする国際研究グラントを提供している.HFSPの受賞者同士の国際研究ネットワークも充実していることから,海外留学を検討している若手日本人研究者は,積極的に応募してほしいとのことだった.

国際的に活躍する研究者をめざすのであれば,ネットワークの構築がきわめて大切であるとわれわれUJAは信じている.今回,生の声を聞かせてくれた皆様,UJA関係者,ならびに海外留学を希望する皆様と一緒に懇親会を開催し,大盛況のうちにお開きとなった.

なお,協賛のメルク株式会社が情報WEBサイト「M-hub(エムハブ)」にて当日の様子の詳細がレポートされているのでぜひそちらも参照されたい(https://m-hub.jp/research-general/2337/145).

2019年3月号掲載掲載

本記事の掲載号

実験医学 2019年3月号 Vol.37 No.4
食の機能実効分子のサイエンス
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國澤 純/企画

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