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クリックケミストリーを利用した免疫療法の新展開

ハーバード大学 マサチューセッツ総合病院 柏木 哲

リックケミストリー(click chemistry)は,2001年にノーベル化学賞を受賞したKarl Barry Sharplessらによって提案された概念で,ベルトのバックルを繋ぐように分子を結合させる合成化学の手法である.特長としては,保護基を用いなくても高選択的に反応が進み,副生成物をほとんど生じることなく目的生成物のみを高収率にえられるだけでなく,実験操作が非常に簡便ということがあげられ,創薬やナノ材料などの多岐にわたる分野で応用されている.また,イオンやラジカル中間体を経由せずさまざまな溶媒環境下でも効率よく進行するという特長ももつため,医療分野での応用が期待されている.これまでのところ,ケミカルバイオロジーにおけるプローブへの機能団の添付や,イメージングのための蛍光,アイソトープ分子の標識など,核酸,タンパク質,糖鎖といった生体分子の化学修飾に応用されている.

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2020年9月号掲載

本記事の掲載号

実験医学 2020年9月号 Vol.38 No.14
実験にも創薬にも使える!プロテインノックダウン
ユビキチン系・オートファジー系を利用しundruggableな標的タンパク質を分解する

内藤幹彦/企画
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