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シミュレーションで解く紡錘体の設計原理

理化学研究所生命医科学研究センター 宮﨑牧人

胞分裂時,染色体のまわりには「紡錘体(mitotic spindle)」とよばれるラグビーボール型の構造が形成され(図1),遺伝情報が2つの娘細胞へと正確に分配される.紡錘体は微小管,分子モーター(キネシン・ダイニン),およびそれらを連結するクロスリンカーで構成される.染色体近傍や中心体から形成された微小管は,これらの因子によって連結・配置され,マイナス端が両極に集まり,プラス端は中央で反平行に重なり合う.微小管は常に両極方向へと流動し,その寿命は約1分と短いが,紡錘体全体は長時間安定して保たれる.このように,紡錘体は高度に動的なネットワーク構造である.

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DOI:10.18958/7757-00004-0006068-00

2025年7月号掲載(6/20更新)

本記事の掲載号

実験医学 2025年7月号 Vol.43 No.11
特集1:疾患の運命を握るRNA修飾 技術革新が紐解くがん・代謝・免疫との新しい関係/特集2:創薬スタートアップの先駆者が語る掟と現実 「谷」を越えるチームづくりから知財戦略・資金調達まで

魏 范研,鈴木 勉/編,深津幸紀/企画/企画
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