細胞分裂時,染色体のまわりには「紡錘体(mitotic spindle)」とよばれるラグビーボール型の構造が形成され(図1),遺伝情報が2つの娘細胞へと正確に分配される.紡錘体は微小管,分子モーター(キネシン・ダイニン),およびそれらを連結するクロスリンカーで構成される.染色体近傍や中心体から形成された微小管は,これらの因子によって連結・配置され,マイナス端が両極に集まり,プラス端は中央で反平行に重なり合う.微小管は常に両極方向へと流動し,その寿命は約1分と短いが,紡錘体全体は長時間安定して保たれる.このように,紡錘体は高度に動的なネットワーク構造である.
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DOI:10.18958/7757-00004-0006068-00