
タンパク質の糖鎖修飾は,リン酸化と並び最も高頻度に起こる翻訳後修飾の1つである.N型糖鎖修飾やムチン型のO型糖鎖修飾は,修飾を受けるタンパク質の種類がきわめて多く,糖鎖そのものの構造も非常に多様性に富むことから,分析や機能理解が複雑になることが多い.一方,一部の糖鎖修飾は,タンパク質の特定のドメインのみに起こり,特異性がきわめて高い.よく知られている例は,EGFドメインに起こる修飾で,NOTCH受容体のEGFドメインが受けるO-フコース修飾(フコースとよばれる糖がセリン/スレオニンに付加される)は,細胞の分化過程などに必須の役割を果たす.
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DOI:10.18958/7769-00004-0006098-00