研究成果をもっと伝える プレゼンテーション スライド作成講座
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発表が楽しくなる!研究者の劇的プレゼン術

このコーナーでは,『実験医学』2010年9月号から全5回にわたって掲載された連載「プレゼンテーション スライド作成講座」より,誌面を一部抜粋,公開いたします.大切な研究成果をもっと魅力的に発表するための,すぐに活かせるスライド作成のTipsを,著者ならではの視点でご解説いただいています.ぜひご一読ください.なお本連載をもとに,ポスター発表や口頭発表についても強化した単行本『研究者の劇的プレゼン術』は,好評販売中です! (編集部)

余白を憎め!

実験医学2010年11月号掲載 連載 第3回より)

限られたスペースしかないスライドで,見やすくわかりやすい図や表を配置するためのコツは,一にも二にも「余白を減らす」ことである.いや,「余白を減らす」という意識では足りない.「余白を憎め!」が,心配りのある講演者の正しい心がけである.余白を憎むとスライドの見え方が変わる.まずは図1を見て,余白を憎んでいただきたい.余白はすべて無駄なスペースである.ここを有効利用することで,あなたはもっと見やすいスライドをつくることができるのだ.余白,憎むべし…….余白を憎むと見えてくる.図2のように,このスライドにはこんなに余白がある.スライド内の個々のパーツは,シンプルに説明したいことをイラスト化しているし,グラフもそれ自体に問題はない.ただ,余白がある割にパーツのサイズが小さいので見やすいスライドとはいえない.どうしてこんなことになるのだろう? こういう場合,スライドの映写範囲の横縦比を考慮してパーツを並べ替えてみると,同じ内容でもずいぶんと改善されるものだ.

図1 じっと凝らして余白を憎め!
図2 一見するとそれなりのスライドも余白を憎むと見えてくる,無駄なスペース

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スライドの映写範囲はたいてい800×600か1024×768ドット,つまり横縦比は4:3である (図3A).スライドを作成するときはこのことをしっかりと頭に入れておかなければならない.横縦比が4:3のスライドにパーツを入れるときには,図3Bのように,そのパーツも基本的に4:3,2:3(あるいは8:3というのもときにはありうる) の横縦比で構成するようにする.そんなパーツを入れ子にして配置することで,スライドの余白を減らすことができる.

図3 スライドの横縦比4:3に併せて,パーツを構成すると余白は少なくなる
図4 図1を横縦比4:3の法則に従って改良する

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最初に示した図は,横縦比4:3を頭に入れてパーツの配置を工夫すれば余白を減らすことができる.この図のパーツをよく見てみると,図4Aの点線で示したように配置の全体構成が四角形になっていない.これではどうしたって余白ができてしまう.そこで,パーツの中身を変えず配置だけを4:3の横縦比の四角形内に収まるように変えてみると図4Bのようになる.これでパーツはまとまったが,余白の広さは以前と変わらない.次に,横縦比4:3の点線四角形を拡大させながら,併せて各パーツを限界まで大きくする (図4C).これで,余白の少ない,十分に見やすい大きさのパーツで構成されたスライドが完成する.余白を憎んで,4:3の横縦比を頭に入れておくだけで,それなりに見やすいスライドはこのように簡単に作成することができる.

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見てくれスライド論&よってらっしゃいポスター論と聴衆の心をつかむ講演技術

プロフィール

堀口 安彦(Yasuhiko Horiguchi)
1987年,大阪府立大学大学院農学研究科博士後期課程修了,北里研究所,大阪大学微生物病研究所・研究生,助手,助教授を経て,2001年より同研究所教授.大学院生時代を含めて,これまでは細菌性タンパク毒素の機能と構造に関する研究を行ってきたが,最近は病原細菌が宿主に起こす特異病態の発現機構や病原細菌の宿主特異性を決める因子の解析などに興味を広げている.

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