めざせ実験の達人-トラブル回避のコツと最新キットで極める!
  • [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
めざせウエスタンブロッティングの達人
Question

Q18. 長く現像しても,バンドもメンブレンのバックグラウンドも全く何も見えません…

Answer
A.検出試薬を確認しよう
2液混合タイプの場合,保存液が混ざってしまうと感度が低下する.また,保存液が古くても感度が低下する.
A.二次抗体を確認しよう
二次抗体の標識酵素が失活していると検出できない.二次抗体のみを段階希釈しニトロセルロース膜にドットブロットし,検出してみる.シグナルが発生しない場合,標識酵素が失活している.
A.二次抗体を濃くしてみよう
二次抗体が薄すぎると検出できない.また,特に二次抗体を希釈して保管している場合,失活することもあるので,その場合は原液からつくり直す.
A.一次抗体と二次抗体の組合わせを確認しよう
一次抗体の動物種と二次抗体の反応種特異性が一致していないと,当然検出できない.抗マウス抗体と抗ラビット抗体の間違いは初心者には多い.
A.現像液が古い可能性があるのでつくり直そう
X線フィルムで現像して検出する場合,現像液のトラブルはかなり多い.古いと液が黒くなり,検出できない.ここぞという大事な実験の場合は現像液を新調した方がよい
A.冷却CCDカメラタイプのイメージャーの設定(特に蛍光検出用のフィルターを付けていないか)を確認しよう
冷却CCDカメラタイプのイメージャーで化学発光を検出する際,通常フィルターは不要.フィルターがあると微弱な光の検出効率が著しく低下する.

Q17 検出手法比較ウエスタンブロッティングのQ&A一覧へQ19 バンドがない

TOP

プロフィール

森山先生
森山 達哉(Tatsuya Moriyama)
京都大学農学部食品工学科卒.同大学院農学研究科修士課程,博士課程ののち,京都大学食糧科学研究所助手 等を経て2005年に近畿大学農学部講師,2008年准教授.その間,1996年米国スタンフォード大学招聘研究員(1年間).毎日多くの元気な学生たちと一緒に,食品成分の生理機能性(特に脂質代謝への影響)と安全性(特にアレルゲン性)に関する研究を行っている.基礎研究だけでなく,社会の役に立つ「アウトプット」を意識した研究を進めています.
<著作>
サイドメニュー開く