近年,ゲノム解析技術の進歩に伴い,原核・真核生物のゲノム高次構造が数キロ塩基対(kbp)の解像度で明らかにされつつある.真核生物の間期核内に存在するTAD(topologically associating domain)とよばれるゲノム高次構造は,配列上遠距離にあるゲノム領域同士が三次元的に近接することで,DNAループ様構造をつくって特定のゲノム領域を区分けし,遺伝子発現やエピジェネティクス修飾,複製などを間接的に制御すると考えられている.このTADと密接にかかわっているのが,SMC(structural maintenance of chromosomes)タンパク質複合体の一つ,コヒーシンである.
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