近年のMRI技術の目覚ましい発展により,脳内の血管構造,白質構造,灰白質構造を数mm以下の高分解能で非侵襲的に可視化することが可能となっている.これらの技術は臨床検査における脳の病変の診断に大いに役立っている.特に「拡散強調画像」は生体内の水分子の拡散制限を計測する方法なので,脳の微細構造の変異に敏感である.そのなかでもdiffusion tensor imaging(DTI)は神経軸索の走行を全脳で推定することを可能にしており,神経解剖学的にも重要なツールである.しかし,DTIでは神経細胞間ネットワークの指標である樹状突起やシナプス結合等を可視化できない.
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