実験医学:化学感覚と脳〜見えてきた匂い・味・フェロモンの神経回路
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実験医学 2014年11月号 Vol.32 No.18

化学感覚と脳

見えてきた匂い・味・フェロモンの神経回路

  • 東原和成/企画
  • 定価 2,000円+税
  • 2014年10月発行
  • B5判
  • 129ページ
  • ISBN 978-4-7581-0133-2
  • 販売状況: 注文可能(在庫なし,電子版あり)
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匂い・味・フェロモンの情報を処理する脳の“ブラックボックス”が次々と明らかに! 神経回路可視化の話題から,食・環境・医療への応用まで,化学感覚研究の最新トピックスを幅広く紹介.

《企画者のことば》

匂い,フェロモン,味などを感知する受容体は,さまざまな生物で見つかってきている.また,末梢神経における受容体を介した化学感覚情報が,脳のどの部位に伝わるかはおおざっぱにはわかってきている.しかし,どのような神経回路を経て,最終的に行動や情動の変化として出力されるのかは,ほとんどわかっていない.近年,さまざまな分子生物学的なアプローチによって,化学感覚入出力を制御する脳のしくみの解明にメスが入った.本特集では,マウス,魚,昆虫のモデル生物を用いて,受容体から行動や情動に至る神経回路の可視化へ挑戦している研究者が,最先端の技術と知見を紹介する.また,匂い,フェロモン,味に関しては,動物の生態系のみならず人間社会においても社会的ニーズの対象になる部分が多い.「フォーラム」 では社会のニーズに応えるための化学感覚研究の最前線を紹介し,将来展望を議論する.

目次

特集

化学感覚と脳
見えてきた匂い・味・フェロモンの神経回路
企画/東原和成
概論─化学感覚研究:化学シグナルから情動・行動へ,基礎と応用【東原和成】
匂い,フェロモン,味などを感知する受容体は,さまざまな生物で見つかってきている.また,末梢神経における受容体を介した化学感覚情報が,脳のどの部位に伝わるかはおおざっぱにはわかってきている.しかし,どのような神経回路を経て,最終的に行動や情動の変化として出力されるのかは,ほとんどわかっていない.近年,さまざまな分子生物学的なアプローチによって,化学感覚入出力を制御する脳のしくみの解明にメスが入った.本特集では,マウス,魚,昆虫のモデル生物を用いて,受容体から行動や情動に至る神経回路の可視化へ挑戦している研究者が,最先端の技術と知見を紹介する.また,匂い,フェロモン,味に関しては,動物の生態系のみならず人間社会においても社会的ニーズの対象になる部分が多い.「フォーラム」 では社会のニーズに応えるための化学感覚研究の最前線を紹介し,将来展望を議論する.
嗅覚受容体遺伝子と匂い知覚の多様性【新村芳人】
匂いを知覚するための最初のステップは,空気中の匂い分子が,鼻腔の嗅上皮にある嗅覚受容体 (olfactory receptor:OR) に結合することである.ヒトゲノム中にはOR遺伝子が約400個もあり,活性化されたORの組合わせによって複雑な匂いの知覚が生じる.匂いの知覚は個人差が大きく,特定の匂いを感知できない嗅盲の存在が知られている.官能試験・ORの機能解析・ゲノムデータを組合わせることにより,匂い知覚の多様性がOR遺伝子の多型によって説明できるようになった.OR遺伝子のレパートリーは生物種間で大きく異なり,その数はマウスで約1,100個,ゾウでは約2,000個にも及び,それぞれの種の生存環境に応じて進化してきた.
ウイルス遺伝子工学による嗅覚神経回路の解析【宮道和成】
脳における情報処理の原理を理解するには,研究対象となる特定のニューロン群を選び出し,それらが形成している神経回路の構造,電気生理学的性質,そして神経活動を操作した場合の行動学的影響を調べる必要がある.近年,遺伝子としてコードできる機能性タンパク質を用いた神経回路の可視化や神経活動の操作が可能となり,これらのツールを領域特異的・細胞種特異的に発現させるウイルスベクターも工夫されるようになった.本稿では,主に嗅覚系の神経回路を題材に,こうしたウイルス遺伝子工学による神経回路研究の進展を概観し,展望を議論する.
末梢および中枢における味覚情報処理のメカニズム【岡 勇輝】
五感の1つである味覚は,昆虫から哺乳類に至るまで食物が自身にとって有益か,また有害物質が含まれていないかを判断する重要な化学感覚である.本稿では,動物がどのように物質を末梢の受容器官である舌で認識し,最終的に脳で “味” として感じるのかを最新の知見を交えて紹介したい.一方,生物は外界の物質を認識するだけでなく,自身の体内状態をモニターし適切な摂取行動を行うことが必須である.では,脳は体内状態をどのように感知してその恒常性を保持するのだろうか? 本稿末尾では,“第二の味覚” ともよべる体内状態の認識機構についても現在までの研究と,今後の展望について述べたい.
ゼブラフィッシュの嗅覚神経系【吉原良浩】
多くの生物にとって嗅覚は,餌を探す,交配相手を見つける,危険を回避する,など,個体の生存および種の保存に直結する基本的行動に不可欠な感覚である.魚類は水中に溶けている多種多様な匂い分子やフェロモン分子を鋭敏に嗅ぎ分け,個体の生存あるいは種の保存のために必要な行動や生理的反応を発現する.本稿ではモデル脊椎動物としての有用性が確立されたゼブラフィッシュを中心として,魚類の多様な嗅覚行動を制御する神経回路メカニズムについての最新の知見を紹介する.
ショウジョウバエの匂い情報処理機構【八木亮輔/田中暢明】
ショウジョウバエは,嗅覚受容体遺伝子の単離がなされ,個々の受容体を刺激する化学物質,その刺激情報が嗅覚系1次中枢に伝えられる機構,さらには1次中枢と2次中枢の連絡様式などが網羅的に明らかにされているモデル動物の1つである.近年,脳神経からの細胞内電位記録やカルシウムイメージングが盛んに行われるようになり,1次中枢や2次中枢で匂い情報が処理される機構が盛んに研究されるようになった.本稿では,ショウジョウバエの匂い情報処理に関して,解剖学的・生理学的に明らかにされた知見を概説し,今後の研究の展望を示したい.
《フォーラム》食・環境・医療に活きる多彩な化学感覚研究
  • 食品の香料開発の最前線【黒林淑子】
  • におい・味の工学センサはヒトの感覚を定量できるか【都甲 潔】
  • 不快なニオイをいかに抑えるか【加藤(難波)綾/大内 敦】
  • 感覚受容を標的とした害虫制御の現実と可能性【仲川喬雄/Leslie Vosshall】
  • 匂いは疾患のバイオマーカーとなるか【白須未香】

Update Review

血小板による血栓形成メカニズム研究の最新動向【笠原浩二/山本正雅】

トピックス

カレントトピックス
アミノ酸トランスポーターASCT2によるTh1およびTh17細胞の分化制御【中谷真子/Shao-Cong Sun】
エンドサイトーシスのバランス変化によるNotchシグナルの温度補償【志水英之】
運動学習中の脳神経回路の変化の可視化【小宮山尚樹】
ユニークな免疫回避機構をもつ歯周病原細菌の解析【前川知樹】

連載

挑戦する人
研究者と二人三脚で強い特許を創り出す!【高尾幸成】
クローズアップ実験法
遺伝子改変マウスを“小さく”維持するコツ【田中優衣/日野宇太郎/田中謙二】
Dr.キタノのシステムバイオロジー塾
第7講 情報プラットフォームと人工知能の登場【北野宏明】
補講 多階層生理機能モデル:薬物間相互作用②【浅井義之/山下富義】
統計の落とし穴と蜘蛛の糸
正規分布という王様が誕生する【三中信宏】
DR 〜既存薬が新薬に生まれ変わる温故知新のサイエンス!
創薬をめぐる環境の変化とDRの今後の展望【高江慎一】
Campus & Conference 探訪記
ゴードン・カンファレンスの舞台裏~新米座長の見聞録 ─2014 Gordon Research Seminar and Conference: Notch Signaling in Development, Regeneration & Disease【山本慎也】
ラボレポート ─留学編─
ビール,チョコレート,そしてES細胞〜ベルギー留学記 ─Université libre de Bruxelles【鈴木郁夫】
Opinion ─研究の現場から
問題の現場を見ることの大切さ【前野ウルド浩太郎】

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