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このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.

幅広い知識が求められる腎臓内科
大阪大学医学部附属病院 腎臓内科  林 大祐

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1.なぜこの進路を選んだか

腎臓は尿の産生だけでなくさまざまな働きをしており,腎機能の低下は体液量の増加や血圧の上昇をはじめ貧血,骨にまで影響し全身の病気と深くかかわっています.僕は学生実習で幅広い知識を駆使していろいろな病態に立ち向かう腎臓内科の先生を目のあたりにし腎臓内科の道をめざすことにしました.

2.研修先の一週間

阪大病院腎臓内科病棟の病床数は20床です.病棟スタッフは合計5名で診療にあたっています.そのうち腎臓内科レジデントは2名で,7010名の患者さんをおのおの受け持っています.

研修プログラムについては,後期研修医の希望にそってアレンジされたプログラムが組まれます.また,家庭医療学会認定の後期研修プログラムも取得しており,私のように専門特化した研修だけでなく,家庭医療・地域医療を学びたい研修医にとっても環境がそろっています.

3.どのような症例が経験できるの?

熊本城散策

↑日本の城に興味があり休みには城めぐりをしています.写真は熊本城.

腎臓内科ではおもに慢性腎炎,ネフローゼ症候群,慢性腎不全の患者さんが中心です.慢性腎炎,ネフローゼ症候群は積極的に腎生検を施行し,組織型や活動性を評価し治療に結び付けています.難治性のネフローゼ症候群に対しては積極的に免疫抑制剤の使用やLDLアフェレーシスなどを選択し寛解導入をめざしております.また,慢性腎不全の患者さんには保存期の管理,教育を行っております.末期腎不全に至った際の腎代替療法も症例は多く,特に腹膜透析は全導入の約半数をしめ,外来で約30名の患者さんが通院しておられます.また緊急を要する疾患も多く,特に急速進行性腎炎は地域中から集まってきます.また,腎不全の患者さん,特に糖尿病性腎症からの腎不全の患者さんは,感染症などを起こすケースが多く,感染症のコントロールや血糖管理,全身管理などが必要となる症例も多いです.また,大学病院ならではと思いますが,他臓器疾患の悪化に伴い腎不全が進行する症例も多く,糖尿病,膠原病,心疾患など,常に幅広い知識や判断が求められ,腎臓内科は全身を診る内科らしい内科と言えます.

ほかに特徴的なこととしては他科からの相談が多いこと,移植症例など大学病院ならではの症例もあり,他分野の幅広い知識を吸収できることなどです.各種認定医(内科認定医・専門医,腎臓専門医・透析専門医)をとる際にも有利です.

4.まとめ

阪大病院腎臓内科では,以上のように十分な数の症例を経験できますし,他分野の知識や経験も増やしていくことができると思います.また,市中病院より丁寧な指導があり,きめ細かい教育の機会にも非常に恵まれています.ぜひ,興味ある方は,いつでもお越しください.見学だけでも随時受け付けています.

2008年12月号掲載

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執筆者プロフィール

林 大祐(Daisuke Hayashi)
  • 2002年大阪大学医学部卒業,大阪大学医学部附属病院で初期研修.
  • その後,大阪府立急性期総合医療センターで4年間内科勤務.
  • 2007年4月より大阪大学医学部附属病院腎臓内科医員として勤務.

*無断での転載を禁止します

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