• [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.

症例の多い地方の中核病院で着実に腕を磨く
島根県立中央病院 外科 青木恵子

→ 島根県の後期研修病院一覧はコチラ

1.なぜこの病院を選んだのか

研修風景

↑外科スタッフ一同.紅一点のはずですが,性格的には誰よりも男前です….

大学6年生のときは都市の有名病院などたくさん見学しました.いろいろ見学したなかで気づいたことは,「良い研修ができるかどうかは,結局は自分のやる気次第だ」ということでした.そして,悩んだ末,地方の中核病院で,3次救急まであり,症例も豊富である,実家近くの島根県立中央病院を選びました.科は決まっていませんでしたが,初期研修で各科をローテートした結果,外科を選ぶことにしました.症例が豊富で,スタッフも皆,指導熱心で優しく,おもしろい先生ばかりだったので,外科医としての重要な時期となる後期研修の場としては,迷わず当院を選びました.

2.研修内容

外科(消化器・乳腺)後期研修医は3名,スタッフは6名の計9名です.当院の年間手術件数は外科が約800例程度,乳腺科が100例程度です.それに加え,1年間は小児外科も兼任しています.後期研修中の3年間の手術症例総数としては,私の1つ上の先輩の話では,770例程度だったようです.後期研修医が少ない分,経験できる症例としてはかなり多く,多岐にわたっています.

内容としては,3年目では,ヘルニア,虫垂炎,ラパコレからはじまり,4年目で胃切,胃全摘,5年目の卒業時の目標としてはラパコロン,PD(pancreaticoduodenectomy:膵頭十二指腸切除術)と,成長に合わせて,順に難易度の高い手術を執刀させてもらえます.緊急手術も多く,年間150例程度です.その内容としては,虫垂炎はもちろん,ヘルニア嵌頓から絞扼性イレウス,また,当院では3次救急もあるため,外傷も経験できます.1人あたりの経験症例数として,他の研修病院より群を抜いて多い分,忙しいのは忙しいです.外科待機に加え,救急外来当直も月2~3回程度あり,小児科から内科,外科とすべての救急対応をします.ですので,初期臨床研修医時代に得た内科など含めた他科の知識を3年目以降にも有効利用できます.そして,救急外来を通じて,他科との交流もあり,いろいろな科の先生に気軽に相談できることが自慢の1つです.

また,5年目になると,外来ももつので,自分が手術した患者さんのフォローなども行っていきます.もちろん,手術だけではなく,化学療法や緩和ケアなども行いますので,やるべきことはいっぱいですが,充実した日々を送っています.

また,後期研修の3年間に,外科専門医として必要な心臓血管外科,呼吸器外科も1~2カ月程度ローテートします(初期臨床研修医中に症例が集まれば不要です).希望により,麻酔科などもローテート可能です.

3.初期臨床研修医へのひとこと

学生の頃は都市の有名病院に憧れていましたが,実際は,自分のやる気次第ということに気づきました.どの病院に行っても,結局は本人のやる気次第で,いろいろなことが学べると思います.外科医は,経験症例数がものをいいますので,地方の中核病院などで,一般的な手術をたくさん経験し,着実に腕を磨いていくのが一番良いと思います.そのうえで,専門分野を決め,極めていってはどうでしょうか.
 ぜひ,地方の中核病院へ!

2009年11月号掲載

→ 島根県の後期研修病院一覧はコチラ

  • [SHARE]
  • Send to Facebook
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

執筆者プロフィール

青木恵子(Keiko Aoki)
  • 島根県立中央病院 外科
  • 2005年鳥取大学医学部卒業.同年4月より島根県立中央病院で初期臨床研修開始.
  • 2007年4月より同院外科で後期臨床研修開始.
  • 現在卒後5年目.
  • 仕事の息抜きは飲み会とバレー.先輩や後輩としょっちゅう飲みに行っています.

*無断での転載を禁止します

>>その他誌面掲載一覧へ

羊土社会員
ログインしていません