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このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.

外科研修病院の選び方
医療財団法人石心会 川崎幸病院 消化器病センター 外科レジデント 小根山 正貴

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研修風景

↑キッズセミナーでの外科医局員集合写真;向かって左側が私です.

研修病院を選ぶとき,私の場合は以下のようなポイントを作って選んでおりました.(1)最先端・標準的治療をしている施設であること,(2)各専門医資格がとれること,(3)執刀医として経験できる症例数が多いこと,(4)教育体制が整っていること,(5)勤務形態がしっかりしていること,(6)待遇がいいことであります.

(1)についてですが,当院では市中病院でありながら食道・胃・大腸をはじめ年間250症例以上を腹腔鏡手術で行っています.また,消化器癌についても治療プロトコールを作成し,医局員すべてが共通の認識をもちながらガイドラインに沿った標準的な手術・リンパ節郭清を行っています.

(2)についてですが,当院は日本外科学会外科専門医,日本消化器病学会専門医,日本消化器外科学会専門医,日本大腸肛門病学会専門医,日本消化器内視鏡学会専門医,日本がん治療認定医,日本乳癌学会専門医を取得可能な施設認定を受けており,各専門医(サブスペシャリティー)への道の十分な症例の経験が可能でした.

(3)についてですが,当院では年間手術数が600例程度であり,医局員は自分を含め7人でしたので,単純に90例前後の手術執刀数があるのだろうと考えておりました.実際には1年間の外科研修で手術執刀数は120例前後でした.

(4)については大事なこととして医局員同士の人間関係がよいこと,お互いに意見を述べやすい環境,また研修医からも質問しやすい環境があげらます.当院の先生方は皆が外科に対して熱い思いをもっていながら,性格はとても温厚です.また毎朝行われる1時間ほどのカンファレスを通して重症患者カンファや前日の手術供覧などを通し,医局員全員が患者さんの状態を把握し安全かつ安心な周術期管理や治療方針の決定を行っております.このカンファレンスでは研修医がどんな質問をしても許される場となっています.

(5)についてですが,当院では主治医制とチーム制の中間型システムを導入し,通常勤務時間内では主治医制のメリットを活かし,また主治医が学会や休暇などで不在時や通常勤務時間外ではチーム制のメリットを活かしながら診療を行っています.これにより主治医が不在でも安心して他の医局員に診療を任せることができ,多忙といわれる外科医のなかで当院の外科医の生活はon/offのメリハリがはっきりとついております.

(6)については病院側との契約になりますが,当院では緊急手当,学会手当,住宅手当等々がとても充実しております.

以上を考えると意外とすべての条件を満たしている病院は少ないもので,最終的に私は川崎幸病院外科を選択し,現在の研修は期待通りでとても満足しています.病院選びは人それぞれだとは思いますが,ぜひみなさんの進路のご参考にしていただければと存じます.ちなみに当院では常時見学可能ですので,興味があれば気軽に連絡いただければと思います.

2009年10月号掲載

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執筆者プロフィール

小根山 正貴(Masataka Oneyama)
  • 医療財団法人石心会 川崎幸病院 消化器病センター 外科
  • 新潟県出身
  • 2006年 日本医科大学医学部卒業
  • 同年4月より板橋中央総合病院で初期臨床研修開始
  • 2008年 4月より川崎幸病院消化器病センター外科レジデント
  • 2009年 7月 現在外科レジデント2年目

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