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このコーナーでは,本誌コーナー「ただいま後期研修中!」の一部をお読みいただけます.内容は掲載時のものです.

水戸藩他流試合のすすめ
水戸協同病院 総合診療科
(現 東京都立多摩総合医療センター リウマチ膠原病科) 綿貫 聡

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私は卒後6年目の医師で,2010年7月~9月の3カ月間,水戸協同病院総合診療科にて短期研修を行いました.今回はその報告をしたいと思います.

1.なぜこの病院を選んだのか?

今回の研修のきっかけは,筑波大学附属水戸地域医療教育センターの徳田安春先生がメーリングリストで公募をかけておられたことでした.他院での研修が,先方からの給与付きで行えることは非常に稀です.また,あの徳田安春先生の元で総合内科研修ができるとのことで,早速お願いすることになりました.

2.充実した総合内科研修の仕組み

総合診療科スタッフ・レジデントの皆さんと

↑総合診療科スタッフ・レジデントの皆さんと(下段左から三人目が筆者)

ここの総合診療科の特色は,内科スタッフがすべて総合診療科の枠に属しており,ともすれば循環器科,呼吸器科…と専門診療科に入ってしまいそうな患者さんを,専門診療科の医師の指導付きで担当することができるという点が最大の長所と思われます.

規模も小さめで,各診療科とのやりとりはスムーズです.外科のカンファレンスに突然乗り込んで相談したりしても,その場でディスカッションがはじまります(手術適応や外科解剖学の知識の不足に対する温かいご指導もいただけます).

専門診療科の医師がいるため,専門外来からの症例も入ってきますし,総合診療科の初診外来・救急外来からはコモンな症候へのアプローチを経験することもできます.

総合診療科を含め,各診療科の医師は筑波大学から派遣されており,診療内容も充実しています.症例の豊富さ,手技の豊富さという点で非常に恵まれていますし,外来・ベッドサイドともに診断学の面での指導も充実しているため,非常に充実した研修を過ごすことが可能です.

3.仕事の実際について

シニアレジデントは週に半日の初診外来を受け持ちます.時間ごとに指導医の設定がされており,病歴聴取・身体診察・診療方針などについてのフィードバックを受けることができます.救急・一般外来からはたくさんの患者さんが入院しますが,患者数はシニアレジデント1人に対して20人までと制限がかけられています.専門診療科の先生方の協力とともに,上級医のバックアップも得られ,人数調整をしていただいています.

院外からの講師も多数招聘しており,分野は感染症,一般内科の研修指導医とともに,海外からの招聘指導医も来院されます.週末については勉強会・セミナーなどへの参加を考慮し,回診当番・夜間オンコール制が組まれています.私も休みの週末は東京に戻り,家族とゆっくり過ごすことができました.

4.総合内科研修先を探している方へ

水戸協同病院総合診療科は2008年に創設され,現在はまだ過渡期にあります.さらなる充実を図るため,後期研修医の採用とともに,院外からの短期研修生も受け入れています.

幕末の混乱期に向学心旺盛な吉田松陰が水戸藩へ遊学し他流試合を行ったように,自らの研鑽のため,皆さんも水戸協同病院総合診療科で研修を積まれてはいかがでしょうか.震災からの完全復活も早いペースで進んでいます.

興味をもたれた方は,一度見学にいらしてみてください.

2011年6月号掲載

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執筆者プロフィール

綿貫 聡(Satoshi Watanuki)
  • 東京都立多摩総合医療センター リウマチ膠原病科 シニアレジデント
  • 水戸協同病院での研修内容に興味をもたれた方は病院のホームページもぜひ御覧ください.今回の記事で書ききれなかったエピソード,研修内容などについても掲載していく予定です.
  • http://www.mitokyodo-hp.jp/index.html

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