本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第98問のこたえ

先月の『エリアを分けよう』は楽しんでいただけましたか? パズルによく挑戦されている方のなかには,ループをつくるパズルを前も解いた気がする,という方もいらっしゃるかもしれません.しかし,じつはすべて違うルールのパズルです.本連載では,同じルールのペンシルパズルの出題をこれまでしていません.ループをつくるパズルは目的がわかりやすいこともあり,これまでにもさまざまな種類がつくられてきました.解き味はパズルごとに違いますので,常連さんには,その違いも楽しんでもらえると嬉しいです.本作のルールでは,四隅で必ず90度曲がることが最初の手がかりです.さらに「正方形の点の間は必ず1回曲がる」というルールから,四隅に書いたL字の近くの正方形の点での曲がり方が決まってきます.これらをくり返すことで,ひとつながりのループをつくることができます.4つの問題をそれぞれ解き,できあがったループの中に入っている文字を探ると「L」「L」「P」「S」となり,それらをつなげた「LLPS」が答えとなります.
先月号の特集は,がんと相分離がテーマでした.以前,2024年8月号のテーマが液–液相分離だったときに,僕が初めて知った用語がLLPS(liquid–liquid phase separation)でした.復習になりますが,LLPSとは濃度の異なる2種類の水溶液が水と油のように分離する現象です.物理化学の分野で知られている考え方が,近年生物学の分野において取り入れられ,急速に発展しているとのこと.思い返すと,僕の学生時代の研究テーマである動物の初期発生においても,細胞運命を決定するmRNAが細胞内で偏在することがさまざまな生物で知られていました.それらの偏在RNAのしくみには,何かしらのタンパク質が関与しているということで研究が進められていましたが,これらもLLPSの視点から広く捉えてみると,また新しいことが見えてくるのかもしれませんね.
今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!













