本コンテンツは,実験医学同名連載(2017年8月号〜)からの転載となります.バックナンバーのプレゼント応募は終了しておりますが,パズルのみお楽しみいただけるようになりました(本文の文章は掲載時のままになっております).
第99問のこたえ

先月の『小腸つなぎ』は楽しんでいただけましたか? 少し前に「へその緒つなぎ」でも利用した仕掛けを使い,小腸をテーマに図形パズルにしました.最初のきっかけは食道側からつなげるか,大腸側からつなげていくかのどちらかになると思います.本問では,エリアの形が制限されていて,そこに置けるピースが限られることから,大腸側からピースを置いてつなげていくのがよさそうです.すべての管をつなげることを考えると,大腸につながるピースは2種類しかなく,それぞれについて,さらに2~3種類のピースがつながっていきます.このようにして,残り5ピースで管がつなげられるかどうかを確かめていくと,解答図のようになり,つながった管「B」が答えとなります.実際の小腸は5~7 mととんでもなく長く入り組んでいること,大腸の直径が5~8 cmであるのにたいして小腸の直径は約2 cmでかなり細いことなど,正確な生体の情報はパズルには反映しきれていませんが,そこは遊びやすさ優先ということで,楽しんでいただけたなら幸いです.
先月号の特集は,腸内ウイルス叢とファージセラピーがテーマでした.腸内“細菌”叢の話題は実験医学の特集でもくり返し取り上げられており,浸透してきた考え方なのだなという理解でした.対象をウイルスに変えただけかなと思って調べてみると,腸内ウイルス叢はその解析の難しさから,ごく最近になってようやく進みだした分野とのこと.個人的な話になりますが,中学生のある時期,バクテリオファージにはまって,絵を描き続けていた記憶があります.正二十面体様の頭部や,収縮する胴と月着陸船のような脚をもつ尾部の構造が,生物とロボットの境目のような雰囲気を醸し出しており,少年の心にヒットしたのかもしれません.その絵が表紙になった生物部の部誌は今でも残っています.その後しばらく興味が離れていたものの,大学に入り,遺伝物質の正体はDNAであることの証明,遺伝暗号の解読,DNA複製機構の解明,制限酵素の発見など分子生物学初期の多くの研究で大活躍するファージの話を聞き,また昔を思い出したしだい.その後の研究生活でも,ファージにはお世話になりました.今月はここまで,来月のパズルもお楽しみに!




















